Letter 線虫Caenorhabditis elegansにおける突然変異と自然選択が及ぼす転写への影響 2005年5月1日 Nature Genetics 37, 5 doi: 10.1038/ng1554 遺伝子発現の多様化が進化上、どの程度重要であるかは明らかでない。この機構が自然選択による進化にとって重要であると示唆する研究がある反面、発現調節の種間変化の大部分は、中立であるかほぼ中立であると主張する報告もある。我々は、線虫Caenorhabditis elegansの突然変異蓄積株と野生分離株における全体的な転写の多様化のパターンを調べ、転写多様性の進化上の重要性を洞察し、遺伝子発現の進化を決定する際の突然変異と自然選択の駆動力を識別した。我々は、選択が転写多様化のパターンに及ぼす影響を見いだし、同時発現している遺伝子セット、発現変化の染色体上クラスタリング、機能に関する遺伝子分類に関して解析した。さらに、変異蓄積株と野生株において観察された転写の多様性パターンをトランスクリプトームの進化に関する中立モデルと直接比較し、強力な安定化選択が線虫の何千もの発現配列に対する転写変化の進化を決定づけていることを明らかにした。 Full text PDF 目次へ戻る