Research Highlights

椎間板変性症

Nature Genetics 37, 6 doi: 10.1038/fake22

最も「ありふれた」筋骨格系疾患の1つである椎間板変性症に対する感受性と関連した遺伝子多型が同定されたことを報じる論文が、Nature Geneticsの6月号に掲載される。 椎間板変性症は、腰椎椎間板の退化を原因とし、腰痛の1つの主因となっている。これまでの研究では、椎間板変性症の発症に1つの重要な遺伝的要素が関係していることを示す証拠が示されていたが、椎間板変性症の発症メカニズムは、ほとんど解明されていなかった。今回発表された論文の中で、池川志郎たちは、日本人の椎間板変性症患者と健常者(対照)グループを対象とした研究で、患者の軟骨から変異型タンパク質が発見されたことを報告している。このタンパク質は、結合組織障害と関連した成長因子と相互作用することが従来の研究で明らかになっていることから、椎間組織における椎間板変性症の進行において、このタンパク質が特定の役割を果たしている可能性が高いことが示唆されている。

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