Letter

Xlr3bはマウスにおいて、認知機能に対するX連鎖性親由来効果をもつインプリント遺伝子の新規候補である

Nature Genetics 37, 6 doi: 10.1038/ng1577

インプリント遺伝子は、表現型形質に「親由来効果(parent-of-origin effect)」を及ぼすことができる後成的な修飾の結果として、母方と父方の対立遺伝子間で差のある発現を示す。インプリント遺伝子は、行動や認知機能に影響を与える可能性があるという証拠が、マウスやヒトにおける研究から増えている。ターナー症候群の少女ら(45, XO)におけるこれまでの研究では、インプリント遺伝子の影響についてのデータ解釈には疑問が出てはいるが、脳発達と認知機能に対するX連鎖性親由来効果があることが示唆されている。我々は、39, XOマウスモデルを使用し、認知行動、および脳におけるX連鎖性遺伝子の発現に対する、X染色体の親由来効果を調べた。我々の所見は、認知過程にX連鎖性のインプリント効果の存在を確認し、X染色体上で母系発現する新規のインプリント遺伝子候補Xlr3bを同定するものである。この遺伝子は、行動に及ぼす影響を仲介するのに重要である可能性がある。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度