Article グリコシル化の獲得は病因変異として予想外に多い 2005年7月1日 Nature Genetics 37, 7 doi: 10.1038/ng1581 グリコシル化の獲得が起こる変異は稀だと考えられており、新しい糖鎖の病理学的な役割が正式に証明された例はこれまでにない。我々はマイコバクテリア症の遺伝的感受性をもつ3人の子供を見いだした。彼らはIFNGR2のミスセンス変異のホモ変異をもち、この変異は、IFNgγR2の鎖に新しいN-グリコシル化部位をもたらすものである。新しく付加された糖鎖構造はIFNgγの細胞応答を消失させるのに必要十分であった。そこで我々は、N-グリコシル化の獲得の可能性のあるミスセンス変異について、ヒト遺伝子変異データベース(Human Gene Mutation Database)を検索した。分泌経路を通って運ばれるタンパク質をコードする遺伝子577個のもつ変異10,047において、77個(約13.3%)の遺伝子に142(約1.4%)の候補変異を同定した。6つの変異タンパク質は新しいN結合型糖鎖構造をもっていた。したがって、ヒトの遺伝病を引き起こす変異のうちで予想外に高い比率のものが新しいN-グリコシル化構造の形成に関与しているのかもしれない。その病理的な作用は、N結合型糖鎖付加によってもたらされる直接的な結果かもしれない。 Full text PDF 目次へ戻る