Research Highlights マウスにおけるRpa1の変異はDNA二本鎖切断の修復異常、染色体不安定性および癌を引き起こす 2005年7月1日 Nature Genetics 37, 7 doi: 10.1038/ng1587 ほとんどの癌においては多数の染色体再構成が認められる。それらが引き起こされる分子機序は大部分が依然として不明である。Rpa1のDNA結合ドメインの1つにヘテロ接合性のミスセンス置換をもつマウスはリンパ系腫瘍を発症し、そのホモ接合性の同腹仔は発生初期に胚性致死となる。この腫瘍のアレイCGH(array comparative genomic hybridization)により、染色体断片の獲得および欠失と、大規模な染色体変化を同定することができた。ヘテロ接合性変異マウスの初代培養の胎児繊維芽細胞において、Rpa1の変異は結果としてDNA二本鎖切断の修復異常となり、異数性に加えて染色体切断も引き起こした。酵母における同等な変異は微弱形態性(hypomorphic)および半優性であり、多様な遺伝的背景において総染色体再構成(gross chromosomalrearrangements)の成立を高めた。これらの結果は、DNA代謝におけるRpa1機能が染色体の安定性維持と腫瘍抑制に不可欠であることを示す。 Full text PDF 目次へ戻る