Article 分類不能型免疫不全症およびIgA欠損症においてはTACIが変異している 2005年8月1日 Nature Genetics 37, 8 doi: 10.1038/ng1601 腫瘍壊死因子受容体ファミリーに属するTACI(膜貫通型活性化因子およびカルシウム調節因子およびシクロフィリンリガンド相互作用因子)はB細胞においてイソタイプスイッチを仲介する。我々は、血縁関係のない分類不能型免疫不全症(CVID)患者19人のうち4人と、IgA欠損症(IgAD)患者16人のうち1人に、TNFRSF13B(TACIをコードする)の1つの対立遺伝子におけるミスセンス変異を見いだした。そのCVID患者4人のうち1人は、もう一方のTNFRSF13B対立遺伝子にも1塩基が挿入されていた。これらの変異のいずれもが、50人の健康な被験者には認められなかった。TNFRSF13Bの変異は、我々が調査した4人の発端患者の親族においてCVIDあるいはIgADの表現型と共分離した。TACI変異をもつ患者のB細胞はTACIを発現するが、TACIのリガンドであるAPRILに応答してIgGおよびIgAを産生しない。これはおそらくイソタイプスイッチの異常を反映している。これらの結果は、TACIの変異がCVIDとIgADを引き起こしうることを示唆する。 Full text PDF 目次へ戻る