Letter 多数のミトコンドリアDNAヘテロプラスミーをもつ個人の骨格筋におけるミトコンドリアDNAの組換え 2005年8月1日 Nature Genetics 37, 8 doi: 10.1038/ng1606 近年、ヒトミトコンドリアDNA(mtDNA)の組換えに関する実験的な証拠が、父性遺伝のmtDNAをもつ1人とin vitro細胞培養系において得られた。mtDNAの組換えはヒトに共通する現象であるのかどうかは依然として明らかにされていない。我々は、ヒト骨格筋におけるmtDNAの組換えを検出するために、一細胞PCRおよび対立遺伝子特異的PCRを使用して、多数のミトコンドリアDNAヘテロプラスミーをもつ人を対象に対立遺伝子の分布を解析した。我々は、Dループ領域に1つのヘテロプラスミー変異と、そこから遠くに位置するtRNAに1つの点変異ないしは1つの大欠失をもつ10人すべてにおいて、組換えの特徴である4つの対立遺伝子の組み合わせ(テトラプラスミー)が混在することを観察した。互いに密接しているDループ領域の2つのヘテロプラスミー変異をもつ14人のうち12人は、3つのタイプのミトコンドリアゲノム(トリプラスミー)のみが混在していた。このことは、隣接マーカー間の組換えが起こらないことと一致している。これらの所見は、mtDNAの組換えがヒト骨格筋での共通の現象であることを示すものである。 Full text PDF 目次へ戻る