Brief Communication

ファンコニ貧血J遺伝子の短縮型変異BRIP1は低浸透率の乳癌易罹患性対立遺伝子である

Nature Genetics 38, 11 doi: 10.1038/ng1902

BRCA1およびBRCA2の突然変異をもたない家系の乳癌患者1,212人のうち、BRCA1と相互作用するヘリカーゼBRIP1の構成的短縮型変異が9人に見つかった。一方、健常者2,081人のうちからは、2人にしか見つからなかった(P=0.0030)。BRIP1の突然変異による乳癌の相対的リスクは2.0と推定される(95%信頼区間=1.2~3.2、P=0.012)。両方の対立遺伝子にBRIP1突然変異をもつ患者は、ファンコニ貧血遺伝的相補群Jを発症することが最近明らかになった。したがって、BRIP1を不活化する短縮型変異は、BRCA2の場合の短縮型変異と同様に、両方の対立遺伝子に変異をもつ患者(キャリア)にファンコニ貧血を引き起こし、片方の対立遺伝子にのみ変異をもつキャリアには乳癌易罹患性をもたらす。

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