Letter インターフェロン制御因子6(Irf6)欠損マウスにおける皮膚、手足および頭蓋顔面の形態形成異常 2006年11月1日 Nature Genetics 38, 11 doi: 10.1038/ng1903 転写因子のパラログは、Hoxファミリーのように、特異的な組織において段階的に発現したりあるいは重複して発現したりして、共通する役割を担う可能性がある。一方、同じファミリーのメンバーが(TbxおよびPaxファミリーのように)、胚発生、分化あるいは応答経路において異なった役割を担っていることもある。転写因子であるインターフェロン制御因子(IRF)ファミリーの場合は、Irf1、Irf2、Irf3、Irf4、Irf5、Irf7、Irf8またはIrf9を欠損するマウスは、免疫応答に異常があるが、胚発生における異常は示さない。Irf6欠損マウスはこれまでに報告されていないが、ヒトにおいては、IRF6における変異は、2つのメンデル型口腔顔面裂症候群を引き起こし、また、IRF6の遺伝的な差異が孤発性の口唇口蓋裂のリスクに寄与する。本論文では、Irf6欠損マウスは、皮膚、手足および頭蓋顔面の発生に異常があることを報告する。組織学および遺伝子発現に関する解析は、ケラチノサイトの分化と増殖に主に異常があることを示す。この研究は、表皮の発生においてIRFファミリーのメンバーがもつ新しい役割を示すものである。 Full text PDF 目次へ戻る