Article

癌に特徴的な大規模な転写パターンを調節する遺伝子

Nature Genetics 38, 4 doi: 10.1038/ng1752

数十から数百もの遺伝子が関与する遺伝子発現のパターンが、癌のさまざまな重要因子と関連づけられているが、これらを制御する機構についてはほとんど解明されていない。本論文では、癌において、大規模な転写パターンを引き起こしている機能的な調節因子候補を同定する手法について紹介する。この手法は遺伝的連鎖にもとづく方法である。この方法によって、傷害応答にかかわる特徴的な発現パターン、すなわち予後が悪い乳癌における512遺伝子の発現パターンが、MYCおよびCSN5(JAB1もしくはCOPS5としても知られる)の協調的な増幅によって生じることを示す。この知見により、乳腺上皮細胞における創傷治癒にともなう発現調節を実験的に検証することができ、また、この調節機能によって生じる結果が明らかになり、発現調節機構の解明を可能にした。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度