Letter 陰イオントランスポーターSlc26a6を欠損するマウスにおける、シュウ酸カルシウムによる尿路結石症 2006年4月1日 Nature Genetics 38, 4 doi: 10.1038/ng1762 尿路結石症は先進工業国における最も一般的な泌尿器疾患の1つである。シュウ酸カルシウムは腎臓結石の70〜80%の主成分であり、尿中のシュウ酸濃度の小さな変化が結石のリスクに影響を与える。SLC26A6は、腎臓や腸など、多くの上皮組織の頂端膜に発現する陰イオン交換体である。SLC26A6は、その輸送活動の1つとして、Cl--シュウ酸イオンの交換を仲介する。本論文では、Slc26a6を欠損する変異マウスはシュウ酸カルシウムによる尿路結石症を高率で発症することを示す。Slc26a6完全欠損マウスは、有意な高シュウ酸尿と有意な血漿中のシュウ酸濃度の上昇を示すが、これは食餌中のシュウ酸の制限によって大きく減少する。in vitroにおける流量研究から、Slc26a6を欠損するマウスは腸におけるシュウ酸分泌に異常があり、その結果、シュウ酸の正味の吸収が高められることが示された。我々は、陰イオン交換体SLC26A6は、シュウ酸の正味の腸吸収を制限することにおいて主に構成的な役割を担っており、それゆえ、高シュウ酸尿やシュウ酸カルシウムによる尿路結石症を防いでいると結論する。 Full text PDF 目次へ戻る