Letter 促通拡散型グルコーストランスポーターGLUT10における変異は血管形成を変化させ、arterial tortuosity syndrome(動脈蛇行症候群)を引き起こす 2006年4月1日 Nature Genetics 38, 4 doi: 10.1038/ng1764 Arterial tortuosity syndrome(ATS、動脈蛇行症候群)は常染色体劣性疾患で、主要な動脈において、動脈壁の内層での弾性繊維の断裂による蛇行、拡張、狹窄および動脈瘤形成を特徴とする。これまでに我々は、ホモ接合性マッピングを用いて、染色体20q13.1上の4.1Mbの領域に候補遺伝子座を決定した。本論文では、7つの遺伝子を含む1.2Mbに候補領域を絞り込んだ。これらの遺伝子の1つであるSLC2A10は、促通拡散型グルコーストランスポーターGLUT10をコードするが、この遺伝子における変異をATSを罹患する6家系において同定した。GLUT10の欠如は動脈壁におけるTGFβ経路の亢進に関連しており、この結果はまた、大動脈瘤の形成が動脈の蛇行に関連しているLoeys-Dietz syndromeにおいても観察された。動脈の形態形成の変化に関与するグルコーストランスポーター遺伝子の同定は、これまでに示唆されているGLUT10と2型糖尿病の間の関連を考慮すると、注目すべきものである。我々のデータは、糖尿病に関連する微小血管症性の変化を引き起こす機構に関して新たな知見を与えるものであり、TGFβシグナル伝達に介入する治療化合物が新しい治療戦略となることを示唆している。 Full text PDF 目次へ戻る