Letter 胚型ミオシン重鎖(MYH3)の変異はフリーマン・シェルドン症候群やシェルドン・ホール症候群を引き起こす 2006年5月1日 Nature Genetics 38, 5 doi: 10.1038/ng1775 先天性拘縮を特徴とする病気の大部分の遺伝的基盤はほとんど知られていない。本論文では、胚型ミオシン重鎖(MYH3)遺伝子の変異が、最も重症の多発性先天性拘縮(つまり関節拘縮)症候群の1つであるフリーマン・シェルドン症候群(FSS)のすべてと、最も一般的な遠位関節拘縮であるシェルドン・ホール症候群(SHS)の全症例のおよそ3分の1の原因となることを示す。FSSとSHSの変異は別々のミオシン残基に影響を与えるため、MYH3の遺伝子型により表現型が予測されうる。構造・機能解析から、MYH3のほとんどすべての変異がミオシンの触媒作用を阻害することが予測される。先天性拘縮は筋繊維力産生に関する出生前異常の共通の要因であることを示す多数の証拠が得られているが、本論文はそれをさらに支持するものである。これらの症候群の遺伝的基盤の解明により、先天性拘縮が筋節(sarcomere)に固有の異常と再定義され、また、これまでほとんど理解されていなかった疾患群の理解に手がかりを与えるものである。 Full text PDF 目次へ戻る