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中心体タンパク質ネフロシスチン6はジュベール症候群において突然変異を生じており、転写因子ATF4を活性化する

Nature Genetics 38, 6 doi: 10.1038/ng1786

髄質性嚢胞腎(Nephrnophthisis, NPHP)は小児や若年成人に最も高頻度でみられる遺伝性腎疾患であるが、その分子機構や、ジュベール症候群で起こる腎変性や小脳虫部形成不全との関連については、不明のところが多い。我々はポジショナルクローニングによって、髄質性嚢胞腎を引き起こすCEP290遺伝子の突然変異を見いだした。この遺伝子がコードするタンパク質は、染色体分配に関与するタンパク質であるCENPFにも存在するドメインをいくつかもつ。CEP290(NPHP6としても知られている)は、cAMP依存性腎嚢胞形成に関係する転写因子であるATF4と相互作用し、その活性を調節する。NPHP6は、中心体と腎上皮細胞の核では細胞周期依存性に存在し、また、光受容体の結合繊毛でも見られる。ゼブラフィッシュにおけるNPHP6機能の喪失は、ジュベール症候群で見られる腎、網膜、小脳の表現型を再現した。本研究成果は、嚢胞性腎疾患の発症原因、網膜変性、中枢神経の発生における、中心体の機能、組織構築、転写調節の関連を明らかにするものである。

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