Letter 光受容体フィトクロムCの遺伝子は自然界でシロイヌナズナの開花応答および生育応答を変異させている 2006年6月1日 Nature Genetics 38, 6 doi: 10.1038/ng1818 実生の生育および開花の時期を調節するものとして、光は重要な役割を担っている。今回、天然のシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)集団ではこの両形質に対して光受容体フィトクロムC(PHYC)対立遺伝子座の変異が影響を及ぼしていることが確認された。機能上2群に分けられるPHYCハプロタイプは、緯度クラインのなかでFRIGIDAに依存して分布している。FRIGIDAはFLOWERING LOCUS CとともにA. thalianaの開花期の変異に関して大きな要因となっている遺伝子座である。全ゲノム中の遺伝子座65個に関して緯度との関連を検討すると、有意なP値が多数認められ、集団構造が示された。しかし、163系統にわたって最も強い関連性を示したのはPHYC遺伝子座であり、A. thalianaではPHYC対立遺伝子が多様化淘汰を受けていることが示唆される。本研究を従来の知見と総合すると、自然界の植物の開花応答および生育応答にみられる変異では光受容体遺伝子が主要な要因になっているものと考えられる。 Full text PDF 目次へ戻る