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GlyT2(SLC6A5)をコードする遺伝子の変異はヒトのびっくり病のシナプス前要素を決定する

Nature Genetics 38, 7 doi: 10.1038/ng1814

過剰驚愕症は、過度の驚愕反応を特徴とするヒトの神経疾患で、通常は、抑制性のグリシン受容体(GlyR)α1サブユニット(GLRA1)をコードする遺伝子のミスセンスおよびナンセンス変異によって引き起こされる。GlyRβサブユニット(GLRB)やgephyrin(GPHN)、RhoGEF collybistin(ARHGEF9)などの他のシナプス後グリシン作動性タンパク質に影響する変異をもつ稀な散発性症例において、遺伝的異質性が確認されている。しかし、散発性の過剰驚愕症と診断された人の多くには、これらの遺伝子に変異がない。本論文では、シナプス前グリシン輸送体2(GlyT2)をコードするSLC6A5のミスセンス、ナンセンス、フレームシフト変異も、過剰驚愕症を引き起こすことを示す。SLC6A5に変異のある人は、筋緊張亢進、触刺激あるいは音刺激に対する過剰な驚愕反応、および生命に危険を及ぼす新生児無呼吸エピソードを示す。SLC6A5の変異によって、グリシンとNa+の結合部位として予測される部位に特異的に影響を与える変異もあり、GlyT2の細胞内局在の異常、グリシンの取り込みの減少あるいはその両方が引き起こされることが見いだされた。

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