Letter SBPボックス転写因子をコードする遺伝子の自然発生的なエピジェネティック変異はトマト果実の後熟を阻害する 2006年8月1日 Nature Genetics 38, 8 doi: 10.1038/ng1841 トマトのCnr(Colorless nonripening、無色非後熟)座の遺伝子は、果実の後熟を制御する調節ネットワークの主要な構成要素と考えられる。Cnrが変異すると、果実は色が抜けるとともに、細胞間の接着性が大幅に低下する。Cnr遺伝子の変異およびその正体に関する詳しい知識は、これまで明らかになっていなかった。本研究では、ポジショナルクローニングおよびウイルス誘導性遺伝子サイレンシングにより、Cnr遺伝子座にSBPボックス(SQUAMOSAプロモーター結合タンパク質様)遺伝子が存在していることを確認した。また、Cnr表現型はSBPボックスプロモーターの自然発生的なエピジェネティック変異で生じていた。植物では自然発生的なエピジェネティック変異の例がほとんど知られておらず、Cnrがエピジェネティック変異であるという発見は予想外であった。本研究は、SBPボックス遺伝子が正常な後熟に不可欠であることを裏づけ、植物の発生および自然変異の形成でエピアレルがもつと考えられる重要性を強調するものである。 Full text PDF 目次へ戻る