Letter PSMA6の機能性SNPは日本人の集団における心筋梗塞の危険因子である 2006年8月1日 Nature Genetics 38, 8 doi: 10.1038/ng1846 炎症は今や心筋梗塞の重要な病因であると考えられている。炎症プロセスを制御する機構の1つに、ユビキチン-プロテアソーム経路がある。我々は、20Sプロテアソームの多型が心筋梗塞の感受性に関連しているかについて検索し、プロテアソームαサブユニット6遺伝子(PSMA6)内に存在するSNP(マイナーアレル頻度が0.35)が、日本人の集団において心筋梗塞のリスクに関わることを見いだした(患者群2,592人、対照群2,851人の比較研究。χ2=21.1,P=0.0000044)。この関連が他の民族集団にもあてはまるかはまだ明らかではないが、同じ関連が別のパネルの心筋梗塞患者群と対照群においても認められた。当該SNPは、PSMA6遺伝子のエキソン1の5’側の非翻訳領域に位置しており、転写を亢進していた。さらに、培養細胞において、siRNAを用いてPSMA6の発現を抑制すると、リン酸化型IκBが安定化し、転写因子NF-κBの活性化が低減した。本研究成果は、このPSMA6 SNPが新たな心筋梗塞の遺伝的危険因子であることを示すものである。 Full text PDF 目次へ戻る