Letter RNA干渉機構がクロマチン・インシュレーターの核における組織化に影響を与える 2006年8月1日 Nature Genetics 38, 8 doi: 10.1038/ng1850 RNA干渉(RNAi)は、クロマチン構造を変化させることによって作用する保存されたサイレンシング(抑制)機構である。クロマチン・インシュレーターは、高次の核の組織化を促し、それにより異なる転写制御が受けられるようにDNAドメインを構成するものである。本論文では、RNAiとショウジョウバエのgypsyインシュレーターの間の機能的な関係を示す証拠について報告する。インシュレーターのはたらきは、RNAiに必要なArgonaute 遺伝子が変異を起こすと減少し、ヘリカーゼRm62のレベルが減少するとインシュレーターの機能は改善する。Rm62は、二本鎖RNA(dsRNA)を介したサイレンシングとヘテロクロマチン形成に関与するヘリカーゼであるが、DNA結合インシュレーター・タンパク質であるCP190とRNA依存的な方法で物理的に相互作用する。また、Rm62のレベルが減少すると、インシュレーターの核における顕著な組織化が起こる。これらの結果は、RNAi機構が、遺伝子発現を全体に変化させる核の構造の調節因子として働いていることを示唆する。 Full text PDF 目次へ戻る