Analysis アルツハイマー病のメタ解析:アルツハイマー病に関する遺伝学的関連研究の系統的なメタ解析:AlzGeneデータベース 2007年1月5日 Nature Genetics 39, 1 doi: 10.1038/ng1934 過去10年間に、アルツハイマー病の感受性候補遺伝子に関する遺伝学的関連研究は数多く報告されているが、情報の豊富さが、その後の追跡や解釈をむずかしくしている。我々は、アルツハイマー病の分野での、すべての遺伝学的関連研究を包括的に分類整理したデータベースを作成し、一般に公開し、継続的にアップデートしている(http://www.alzgene.org)。最低でも3つのケース・コントロールスタディのサンプルが利用可能な遺伝子型データを使って、各多型の系統的メタ解析をおこなっている。我々は、APOEのε4対立遺伝子座とそれに関連した影響を明らかにすることができた。また、このほかにも、アルツハイマー病感受性遺伝子の候補遺伝子を多数見いだした(ACE、CHRNB2、CST3、ESR1、GAPDHS、IDE、MTHFR、NCSTN、PRNP、PSEN1、TF、TFAMおよびTNF)。これらの対立遺伝子座は、統計的に有意なサマリーオッズ比(リスク対立遺伝子座は1.11−1.38、防御対立遺伝子座は0.92−0.67)をもつ。このデータベースは、アルツハイマー病の遺伝学を解明するための強力なツールとなり、今回の研究は、他の複雑な疾患研究で候補遺伝子を探索するうえでのモデルとなりうるだろう。 Full text PDF 目次へ戻る