Article 乳糖分解酵素:ヒト乳糖分解酵素活性持続のアフリカとヨーロッパにおける収束進化的適応 2007年1月5日 Nature Genetics 39, 1 doi: 10.1038/ng1946 乳糖分解酵素(LCT)をコードする遺伝子のSNP(C/T-13910)は、ヨーロッパの成人(乳糖分解酵素活性持続)において、ミルクを消化できる能力と関連している。しかし、アフリカ人の乳糖分解酵素活性持続に関する遺伝的基盤については、これまで明らかにされていない。我々は470人のタンザニア人、ケニア人、スーダン人の遺伝子型と表現型に関する関連解析をおこない、乳糖分解酵素活性持続と関連する3つのSNP(G/C-14010、T/G-13915、C/C-13907)を同定した。これらのSNPは、in vitroにおいてLCTプロモーターからの転写をいちじるしく増強する対立遺伝子に由来している。これらのSNPが由来するハプロタイプは、ヨーロッパのSNP(C/T-13910)と異なっており、また3つのSNP間でも異なっていた。3Mbの領域にわたる遺伝子型タイピングをおこなった結果、C-14010をもつ染色体の2.0Mbを超える領域がホモ接合性のハプロタイプであることがわかり、過去約7000年にわたりおこった選択的な一掃作用と矛盾しない。これらのデータは、動物の家畜化と成人のミルクの消費という、共有された文化の結果生じた強い選択圧による収束進化の顕著な例を示すものである。 Full text PDF 目次へ戻る