Letter 転写調節:RNAポリメラーゼはゲノム全域にわたって活性化に備えている 2007年12月1日 Nature Genetics 39, 12 doi: 10.1038/ng.2007.21 遺伝子発現の調節は、すべての生物の発生と生存に不可欠である。転写は、遺伝子のプロモーターに転写開始前複合体が形成されることから始まり、次にRNA合成が開始、伸長反応に移行する。多くの場合、プロモーターへのRNAポリメラーゼII(Pol II)の動員が、遺伝子の活性化に必要かつ十分である。しかし、このパラダイムには、熱ショック遺伝子やいくつかのプロトオンコジーンなど、注目すべき例外がわずかだがある。つまり、それらの発現は、プロモーター近位領域内でポリメラーゼ伸長の停止を調節することで減弱する。転写調節でのポリメラーゼ停止の重要性を検討するために、本論文では、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)ゲノム全体にわたって、プロモーター近位領域内でPol IIが停止している遺伝子を探索した。我々のデータは、停止は広範囲にわたっており、刺激や発生シグナルに応答する何百もの遺伝子に起こっていることを示す。この知見は、環境からの刺激や発生での応答などの動的な転写応答において、ポリメラーゼ伸長の調節が担う役割を示している。 Full text PDF 目次へ戻る