Article アルツハイマー病:神経細胞のソルチリン(sortilin)関連受容体SORL1はアルツハイマー病に遺伝的関連がある 2007年2月1日 Nature Genetics 39, 2 doi: 10.1038/ng1943 細胞表面からのエンドサイトーシス機構を介したアミロイド前駆体タンパク質(APP)のリサイクリングは、アルツハイマー病におけるアミロイドβペプチド(Aβ)の生成に重要な役割を果たしている。本論文では、神経細胞に存在するソーティング(選別輸送)にかかわる受容体であるSORL1の遺伝性変異が、遅発性アルツハイマー病に関連していることを報告する。これらの変異は、SORL1遺伝子(LR11またはSORLAとしても知られる)内のイントロン配列の少なくとも2つの異なるクラスターで起こり、SORL1の組織特異的発現を調節していると考えられる。さらに、SORL1がAPPのリサイクリング機構への輸送を指示しており、SORL1の発現が低い場合には、APPはAβ産生細胞内区画にソーティングされることも示す。本研究成果は、SORL1の発現もしくは機能における変化、それが親から受け継いだものであれ、あるいは新たに獲得したものであれ、アルツハイマー病の発症に機構的に関与していることを示唆するものである。 Full text PDF 目次へ戻る