Letter 脳梗塞の関連解析:PRKCH(タンパク質キナーゼCη)の非同義SNPが脳梗塞の危険度を増す 2007年2月1日 Nature Genetics 39, 2 doi: 10.1038/ng1945 脳梗塞は脳卒中の中で最も多くみられるタイプで、しばしば長期の身体障害を引き起こす。脳梗塞に対する遺伝的な寄与について調べるために、我々はJSNPデータベースから選択した、遺伝子上に存在する52,608のタグSNPを用いて、患者対照研究を実施した。今回、プロテインキナーゼC(PKC)ファミリーの1つであるPRKCHの非同義SNPが、2つの独立した日本人の集団において、ラクナ梗塞と有意な関連(P=5.1×10-7, 粗オッズ比1.40)があることを示す。このSNPは、PKCの活性に影響を与えているようである。また、福岡県久山町の住民を14年間追跡したコホート研究の結果は、このSNPが脳梗塞の発症に関与していることを支持している(P=0.03、年齢、性で補正したハザード比2.83)。我々はさらに、PKCηが主として血管内皮細胞とヒト動脈硬化部位の泡沫化マクロファージに発現しており、その発現は動脈硬化の進行にともない増大することを発見した。本研究は脳梗塞の病因にPRKCHが関与していることを支持するものである。 Full text PDF 目次へ戻る