ミトコンドリアDNAの突然変異と老化：問題は解決済みか

ミトコンドリアDNAの突然変異誘発率が大きく高められた変異マウス（いわゆる「ミューテーターマウス」）で観察される早期老化に関する最近の研究によると、mtDNAの突然変異の蓄積が正常な老化が起こる上での重要な機構であることが確認されたかのように思われる。しかし新たな研究における分析法の劇的な進歩により、正常加齢マウスの組織中の点突然変異のレベルが、ミューテーターマウスの場合よりもはるかに下回ることがわかった。このことは、ミトコンドリアDNAの突然変異が正常な老化の原因ではないことを示していると思われる。