Brief Communication

転写因子のサイレンシング:T-box転写因子EOMESのホモ接合性のサイレンシングは多小脳回と脳梁欠損をともなう小頭症の原因となる

Nature Genetics 39, 4 doi: 10.1038/ng1993

神経発生過程での神経前駆細胞の増殖や遊走は脳の大きさに影響を与える。我々は、染色体3pと10qの間でのホモ接合性の平衡転座と共分離する常染色体劣性の小頭症の症候群について報告する。また、3番染色体の切断点における位置効果によって、eomesodermin transcript (EOMES、別名T-box-brain2(TBR2))がサイレンシングを受けることを示す。発生中のヒト脳におけるEOMESの発現パターンは、EOMESがニューロンの分裂および/または遊走に関与することを示唆する。したがって、細胞分裂タンパク質やアポトーシスタンパク質だけではなく、転写因子をコードする遺伝子における変異も、脳の形態形成異常をともなう小頭症の症候群の原因となる可能性がある。

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