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MAPキナーゼ:p38αMAPキナーゼは肺の幹細胞や前駆細胞の増殖や分化に不可欠である

Nature Genetics 39, 6 doi: 10.1038/ng2037

幹細胞機能は正常組織の恒常性維持において中心的役割を果たしている。本論文では、成体マウスにおいてp38αマイトジェン活性化タンパク質(MAP)キナーゼを欠失させた場合、in vivoおよびin vitroの両方において、肺の幹細胞や前駆細胞の増殖亢進および分化異常が認められることを示す。我々は、p38αが、肺細胞の分化に必要なCCAAT/エンハンサー結合タンパク質などの因子を正に調節することを見いだした。さらに、p38αは増殖誘導シグナル(特に、上皮増殖因子受容体)を抑制することによって、肺の幹細胞や前駆細胞集団の自己複製を制御する。結果として、p38αの不活化により、未成熟な肺上皮の過剰増殖が引き起こされる。また、この肺上皮はK-RasG12V誘発性の腫瘍形成に高感受性である。我々の結果は、p38αが、肺の幹細胞や前駆細胞で増殖と分化のシグナルを協調させることによって、肺細胞の再生と腫瘍形成の調節において重要な役割を担っていることを示すものである。

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