繊毛：保存された繊毛内輸送タンパク質をコードするIFT80はジュヌ窒息性胸郭異栄養症で変異が認められる

ジュヌ窒息性胸郭異栄養症は、常染色体劣性の軟骨異形成症で、重症の胸郭狭小化と呼吸不全のため、しばしば幼児期に死に至る。またその特徴として、網膜変性、嚢胞性腎疾患および多指症を併発しやすい。本論文では、IFT80の変異がジュヌ窒息性胸郭異栄養症の症例の一部の原因であることを明らかにし、繊毛（鞭毛）内輸送（IFT）タンパク質の異常とヒトの疾患との関連を初めて示すものである。ゼブラフィッシュでift80をノックダウンすると嚢胞腎が、また、テトラヒメナ（Tetrahymena thermophila）でift80をノックダウンすると繊毛の短縮ないしは消失が認められた。