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繊毛タンパク質:繊毛遺伝子RPGRIP1Lが小脳・眼球・腎臓症候群(ジュベール症候群B型)とメッケル症候群で変異している
Nature Genetics 39, 7 doi: 10.1038/ng2039
ジュベール症候群B型とも呼ばれる小脳・眼球・腎臓症候群(CORS)とメッケル(MKS)症候群は、一次繊毛の機能不全に関連する常染色体劣性の発達障害のグループに属している。我々は、SNPのマッピングによって、CORSとMKSの両方でRPGRIP1L(KIAA1005)のミスセンス変異と短縮型変異を同定した。また、そのマウスオーソログであるRpgrip1l(Ftm)の不活化によって、CORSおよびMKSで認められる脳、腎臓および肝臓の異常が再現されることを示す。さらに我々は、RPGRIP1Lが、MKS、CORSおよびネフロン癆(関連する腎機能異常および繊毛病)に関連する遺伝子であることが知られているNPHP6とNPHP4の両方のタンパク質産物と、基底小体と中心体で、共局在することを示す。また、CORS患者で認められたRPGRIP1Lのミスセンス変異は、RPGRIP1Lとネフロシスチン4との相互作用を低下させる。我々の知見は、RPGRIP1Lの変異がCORSあるいはMKSで認められる多臓器の表現型異常を引き起こしうること、また、それゆえ、一連の同じ基礎疾患が発現することを示すものである。