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リーシュマニア症:異なる症状のヒト疾患の原因となる3種のリーシュマニア原虫における比較ゲノム解析

Nature Genetics 39, 7 doi: 10.1038/ng2053

リーシュマニア原虫は、広範囲の臨床疾患の原因となっている。私たちは、Leishmania infantum(小児リーシュマニア)と Leishmania braziliensis(ブラジルリーシュマニア)の2種類のリーシュマニアのゲノム配列について報告する。これらの配列と、公開されている Leishmania major(大型リーシュマニア)のゲノムとの比較から、3つの種間では、シンテニーが際立って保存されており、異なった分布を示している遺伝子は、およそ200の遺伝子だけであることが明らかとなった。L. braziliensis(ブラジルリーシュマニア)は、今までに解析されたリーシュマニア種とはまったく異なり、RNA干渉経路の構成要素と思われるもの、テロメア関連転移因子、および、スプライスリーダー関連SLACSレトロトランスポゾンを有していた。本論文では、偽遺伝子の編成と遺伝子欠失が、異なるゲノムを形作るための主要な原動力になることを示す。種間で異なる分布をしている遺伝子は、宿主病原体相互作用と、マクロファージでの原虫の生存にかかわるタンパク質をコードしていた。

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