Letter 炎症性腸疾患:20q13および21q22の遺伝子座が小児発症炎症性腸疾患に関連する 2008年10月1日 Nature Genetics 40, 10 doi: 10.1038/ng.203 炎症性腸疾患(IBD)は病因が複雑なありふれた炎症性疾患であり、その病因には細菌除去異常、粘膜障壁機能不全および腸内共生細菌に対する免疫応答の持続的な調節異常が含まれるが、これらに限定されることなく、遺伝要因および環境要因の両方が関与している。IBDには、2つの異なった表現型、すなわちクローン病(CD)と潰瘍性結腸炎(UC)があることが特徴的である。これまでに報告された全ゲノム関連研究によって、CDに対する総合的な遺伝的感受性のごく一部や、UCの発症機序に対するさらに小さな寄与を担う遺伝的多型が明らかになっている。我々は、発症年齢によるIBDの層別化によって、IBD関連遺伝子のさらなる同定が可能であろうと仮定した。そのために、小児発症IBD1,011人と対応する対照4,250人からなるコホートで全ゲノム関連解析を行った。我々は、これまでには報告されていない、染色体20q13のTNFRSF6B遺伝子近傍に位置する遺伝子座(rs2315008[T]、P=6.30x10-8、およびrs4809330[A]、P=6.95x10-8。オッズ比(OR)はともに0.74)と、21q22のPSMG1遺伝子近傍に位置する遺伝子座(rs2836878[A]、P=6.01x10-8、OR=0.73)に、有意な関連を同定し、その再現性を得た。 Full text PDF 目次へ戻る