Letter 変形性関節症:染色体3p24.3に位置するDVWAのありふれた多型が変形性膝関節症の感受性に関連する 2008年8月1日 Nature Genetics 40, 8 doi: 10.1038/ng.176 ヒトの最もありふれた関節炎である変形性関節症の疾患感受性は遺伝的因子の影響を受けることが知られている。約10万個のSNPを使った全ゲノム関連解析によって、染色体3p24.3に位置し、膝の変形性関節症の感受性に関連する新規の遺伝子DVWAを同定した。軟骨特異的な発現を示すDVWAは、276アミノ酸のタンパク質をコードしており、2つのフォンビルブラント因子A型ドメイン(VWAドメイン)に相当する領域をもつ。DVWAのいくつかのSNPは、独立した2つの日本人の症例・対照コホートで変形性膝関節症と有意な関連を示した。この関連は、日本人の地域コホートと中国人漢民族の症例・対照コホートで再現された(統合P=7.3x10-11)。DVWAタンパク質はβチューブリンと結合する。この結合は、VWAドメインに位置し、高度に関連性をもつ2つのミスセンスSNP(rs11718863とrs7639618)が規定するアイソフォームにより影響を受ける。そして、変形性膝関節症で過剰に発現しているDVWAのTyr169-Cys260アイソフォームは、βチューブリンとの相互作用が低下している。我々の知見は変形性関節症の病因と発症機序に関する研究の新しいパラダイムを明らかにするものである。 Full text PDF 目次へ戻る