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細胞極性:Fat4の欠如によりPCP(平面内細胞極性)シグナル伝達と方向性のある細胞分裂が中断され、嚢胞性腎臓病が引き起こされる

Nature Genetics 40, 8 doi: 10.1038/ng.179

ショウジョウバエの組織構築は平面内細胞極性(PCP)のコアタンパク質、Frizzled、Dishevelled、Prickle、Van GoghとFlamingoによって調節されている。PCPコアタンパク質は哺乳類にも保存されており、哺乳類の組織を形成するうえで機能している。最近の研究からショウジョウバエのPCPタンパク質にはもう1つのグループが存在することが見つかり、 それはプロカドへリンFatとDachsous(Ds)および膜貫通タンパク質Fourjointed(Fj)で構成されていた。ショウジョウバエではFatはfjの転写を抑制し、DsはPCPにおけるFat活性を抑えている。本論文では、Fat4が脊椎動物のPCPに重要な役割をもつ必須遺伝子であることを示す。Fat4の欠如により方向性をもった細胞分裂と腎臓の発生過程での管状の伸長に支障をきたし、嚢胞性腎臓病が引き起こされる。Fat4は嚢胞形成においてPCP遺伝子Vangl2Fjx1と遺伝学的に相互作用をする。また、Fat4Fjx1の発現を抑えるので、このことより、Fatシグナル伝達が保存されていることが示唆される。以上のことから、Fat4が脊椎動物でPCPを調節していることとPCPシグナル伝達の欠如は哺乳類でもいくつかの嚢胞性の病気に深くかかわっていることが示唆される。

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