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皮膚の分化:Tcf3とTcf4は、皮膚上皮細胞の長期恒常性に必須である

Nature Genetics 41, 10 doi: 10.1038/ng.431

一層性の胎児皮膚細胞は、表皮を形成するか、あるいは、Wntシグナル伝達(βカテニンの安定化)に反応して毛包を形成するように階層化する。出生後、幹細胞は長期にわたる組織の恒常性のもとでWntシグナル伝達を使い分け続ける。我々は、胎児前駆細胞と生後の毛包幹細胞は、共に、転写の活性化あるいは抑制の働きをしうるTcf3とTcf4を発現していることを見いだした。機能欠失研究と転写解析から、皮膚でTcf3とTcf4を欠失させた結果を明らかにし、それがβカテニンの欠失によって引き起こされる結果と一部だが重なることがわかった。我々は、表皮と毛包の両方の長期にわたる維持と創傷修復におけるTcf3とTcf4の役割を明確に示した。このことから、Tcfタンパク質が細胞系譜決定において、Wnt依存性と非依存性の役割を担うことが示唆される。

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