Article ゲノム配列決定:キュウリCucumis sativus L.のゲノム 2009年12月1日 Nature Genetics 41, 12 doi: 10.1038/ng.475 キュウリは、経済上重要な作物であるとともに、性決定研究および植物維管束生物学のモデル系にもなっている。本論文では、Cucumis sativus var. sativus L.のドラフトゲノム配列を示す。その組み立てにあたっては、従来型のサンガー法と次世代のイルミナGA配列解読法を組み合わせた新しい方法を用い、72.2倍のゲノムカバー率が得られた。最近の全ゲノム重複が認められず、縦列重複がきわめてわずかであることは、キュウリに遺伝子が少ないことの説明となる。本研究により、キュウリの染色体7本のうち5本は、Cucumis meloから分岐した後に祖先の染色体10本が融合して生じたものであることが確認された。配列が明らかになったキュウリゲノムからは、性発現、病害抵抗性、ククルビタシン生合成、および「キュウリ臭」などの形質に関する洞察が得られる。本研究では、篩部機能に関連する遺伝子クラスター686個も発見された。キュウリゲノムは、優れた品種を開発し、植物維管束系の進化および機能を研究するための貴重な情報源となるものである。 Full text PDF 目次へ戻る