Article 遺伝子ネットワーク:ハイスループットの遺伝学的データと転写データを結びつけることで、αシヌクレイン毒性の細胞応答が明らかにされる 2009年3月1日 Nature Genetics 41, 3 doi: 10.1038/ng.337 細胞は、シグナル伝達経路や遺伝子発現などさまざまなプロセスを変えることで刺激に応答している。こうした応答の成分を同定しようとする試みにおいて、mRNAのプロファイリングと遺伝子ライブラリーのスクリーニングの重要性はますます高まっている。さまざまな刺激に対するこれら2つの測定の結果を比較すると、遺伝的なスクリーニングでは、応答の調節因子が同定される傾向にあり、mRNAのプロファイリングでは、代謝での応答が検出される傾向があることがわかった。既知の分子どうしの相互作用を使い、これらのデータ間のギャップを埋め、主要な応答経路に焦点を当てる総合的な研究法を開発した。この方法を使って、パーキンソン病などのいくつかの神経変性疾患機能にかかわるとされているαシヌクレインタンパク質の毒性に応答する細胞の経路を明らかにした。このためには、すでに確立している酵母のモデルシステムを使ってスクリーニングし、過剰発現によりαシヌクレインの毒性を変える遺伝子を同定した。これらのデータとmRNAプロファイリングのデータを結びつけることにより、これらの多くの遺伝子に、機能上の説明をつけることができ、αシヌクレインの毒性と基本的な細胞内の経路については、これまで知られていなかった関係を明らかにすることができた。 Full text PDF 目次へ戻る