Article トランスクリプトーム:哺乳類細胞における調節されたレトロトランスポゾントランスクリプトーム 2009年5月14日 Nature Genetics 41, 5 doi: 10.1038/ng.368 反復配列は哺乳類のゲノムの多くの部分を占めるが、それらが結局転写活性にどのように関与しているかはほとんどわかっていない。我々は、FANTOM4プロジェクトの一部として、キャップによって選択されたマウスとヒトの転写産物のうち6~30%が、反復配列の中から開始していることを報告する。約250,000のレトロトランスポゾン由来の開始点の解析から、それにともなう転写産物は一般的に組織特異的であり、遺伝子が密な領域と一致しており、完全長のレトロトランスポゾン配列とアライメントした際に、顕著にクラスターを形成することがわかった。タンパク質をコードする座位の5′側のすぐ隣に位置するレトロトランスポゾンは、選択的プロモーターとして機能し、また(あるいは)非コードRNAを発現することが多い。 RefSeqの4分の1を超えるものがその3′UTRにレトロトランスポゾンを有しており、これらの転写産物はレトロトランスポゾンをもたない転写産物と比較して発現が抑制されているということを強く支持する証拠が見つかった。また、ゲノムワイドスクリーニングによって、2,000を超える両方向性の転写に加えて、23,000の候補調節領域がレトロトランスポゾン由来であることがわかった。我々は、レトロトランスポゾンの転写は哺乳類ゲノムの転写に重要な影響を与えていると結論づける。 Full text PDF 目次へ戻る