Article 転写ネットワーク:ヒト骨髄性白血病細胞株における増殖停止と分化を調節する転写ネットワーク 2009年5月14日 Nature Genetics 41, 5 doi: 10.1038/ng.375 FANTOM4プロジェクトでは、deep CAGE法により、ヒト単球系細胞株THP-1における増殖停止と分化についての転写開始点の使用頻度の動態をゲノム全域にわたり経時的にくまなく測定した。予測されたシス制御部位に関する発現の動態をモデル化することにより、重要な転写制御因子、およびその時間依存的な活性と下流の遺伝子を同定した。siRNAによるノックダウンを体系的に行い、52の転写因子について、制御ネットワークにおける各因子の役割を確認した。今回の結果は、細胞の状態というものが、相当な数の転写因子間の相互作用からなる正負両方の調節をはじめとする複雑なネットワークにより制御されていることを示しており、また、分化のプロセスを進めるのに必要かつ十分な単独の転写因子は存在しないことが示唆された。 Full text PDF 目次へ戻る