Article マウスの無動行動:Usp46はマウスの尾懸垂テストおよび強制水泳テストにおける無動行動を調節する量的形質遺伝子である 2009年6月11日 Nature Genetics 41, 6 doi: 10.1038/ng.344 尾懸垂テスト(TST)および強制水泳テスト(FST)は抗うつ作用やうつ様の行動を評価するために広く用いられている。逃避不可能な状況においてCSマウスが無動状態をほとんど示さないことを見いだした。CSマウスおよびC57BL/6Jマウスを用いた量的形質遺伝子座(QTL)のマッピングによって、4番染色体(FST)および5番染色体(TSTとFST)に有意なQTLの存在が明らかになった。我々は、5番染色体の量的形質遺伝子を同定するために、いくつかのコンジェニック系統やサブコンジェニック系統のマウスを用いてQTLの区間を0.5 Mbまで絞り込んだ。リシンコドンを欠失したUbiquitin-specific peptidase 46(Usp46)がこの領域に位置していた。この欠失は、営巣行動、ムシモール誘導性正向反射、イミプラミンの抗無動効果に影響を与えた。海馬CA1錐体ニューロンにおけるムシモール誘導性電流、およびグルタミン酸脱炭酸酵素の67kDaのアイソフォームの海馬での発現は、Usp46変異マウスにおいて、対照マウスよりも有意に低下していた。野生型のUsp46を含むバクテリア人工染色体を導入したトランスジェニックマウスでは、これらの表現型の回復がみられた。したがって、Usp46はTSTやFSTにおける無動行動に影響を与え、また、GABA作用の調節に関係していることがわかった。 Full text PDF 目次へ戻る