Letter 睡眠障害:ナルコレプシーはT細胞受容体アルファ遺伝子座と強い関連がある 2009年6月11日 Nature Genetics 41, 6 doi: 10.1038/ng.372 脱力発作をともなうナルコレプシーは、眠気とREM睡眠の急速な開始を特徴とし、2,000人に1人が罹患している。ナルコレプシーは、最初に、HLA-DR2との密接な関連が示され、さらにDQB1*0602に限定した関連が示された。イヌやマウスにおける研究の後、ナルコレプシーの人の死後視床下部ではヒポクレチン産生細胞の95%が喪失していることが報告された。白人におけるゲノムワイド関連(GWA)研究と3つの民族群での再現性試験によって、ナルコレプシーとTRA@(T細胞受容体アルファ)遺伝子座の多型の間に関連が見いだされた。また、これはrs1154155で最も高い有意性が認められた(対立遺伝子オッズ比の平均は1.69、遺伝子型オッズ比は1.94および2.55、P<10−21、1,830症例、2,164対照例)。これは、HLAペプチド提示の主要な受容体をコードするTRA@遺伝子座が疾患に遺伝的に関与することを最初に示したものである。特定のHLA対立遺伝子がどのように100以上のHLA関連疾患の感受性に寄与するのかはまだ明らかではない。したがって、ナルコレプシーは、HLA-TCR相互作用がどのように臓器特異的自己免疫の標的に寄与するのかについての新しい知見を与え、また、100以上ある他のHLA関連疾患のモデルとなりうるかもしれない。 Full text PDF 目次へ戻る