Article 転写:同時に調節されている遺伝子には積極的な関連があり、赤血球細胞の転写レベルでのインタラクトームの存在が明らかにされる 2010年1月1日 Nature Genetics 42, 1 doi: 10.1038/ng.496 高等真核生物の染色体間の相互作用の発見から、ゲノム構造と遺伝子発現の間には機能的な連携があり、一次元的な過程としての転写という考え方に疑問が生じている。しかしながら、染色体間の相互作用の範囲とそこに秘められた仕組みはわかっていない。ここでは、マウス赤血球組織におけるグロビン遺伝子の転写の相互作用に関する最初のゲノムワイド解析結果を報告する。これから、活発に働いているグロビン遺伝子は、たくさんの他の転写されている遺伝子と連携しており、広汎なかつ積極的な染色体内および染色体間の転写インタラクトーム(転写相互作用の集合)が明らかになった。転写因子Klf1は、一定数の特異的な転写の場で、Klf1により調節される遺伝子と積極的な協同的な会合を助けていることがわかった。これらの結果により、同時に調節を受けている活性化された遺伝子とそれらの調節因子は、効率のよい協調的な転写制御を行うために、核内に特異的なホットスポット作り出すための共同作業をしていることが確かめられた。 Full text PDF 目次へ戻る