Article エクソーム:エクソームシーケンスを用いたメンデル遺伝病の原因遺伝子同定 2010年1月1日 Nature Genetics 42, 1 doi: 10.1038/ng.499 原因不明の稀なメンデル遺伝病であるミラー症候群(MIM%263750)の遺伝子同定に、エクソームシーケンスを用いて初めて成功した例を示す。3つの独立した家系の4人の罹患者に対し、コード領域を捕捉し、平均カバー率40倍で、それぞれの標的エクソームの約97%の変異を判定するのに十分な回数の塩基配列決定を行った。これまでに知られていない変異をもつ2つの遺伝子が4人の罹患者それぞれで見つかったが、公共SNPデータベースと8つのHapMapエクソームを用いてフィルタリングすると、ピリミジンの新生合成経路の鍵酵素をコードするDHODHが原因遺伝子候補として同定された。サンガー法を用いた塩基配列決定により、ミラー症候群を呈する他の3つの家系でDHODHの変異が確認された。血縁関係のない少数の罹患者に対するエクソームシーケンスは、稀なメンデル遺伝病の原因遺伝子の同定方法として強力で効果的な戦略であり、単一遺伝子疾患の遺伝的解析法を一変させることとなるであろう。 Full text PDF 目次へ戻る