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類基底細胞がん:ケラチン17は皮膚における免疫応答を偏向させることによって上皮の増殖と腫瘍の成長を促進する

Nature Genetics 42, 10 doi: 10.1038/ng.665

基底細胞がん(BCC)やbasaloid follicular hamartomaを含む類基底細胞の腫瘍では、ヘッジホッグ(Hh)シグナル伝達異常との関連が知られ、また、BCCの場合には、中間径フィラメント形成タンパク質であるケラチン5(KRT5によってコードされる)をはじめとする多くの遺伝的変異との関連が知られている。本論文では、表皮で構成的なHhシグナル伝達がみられるマウスでは、ケラチン17(Krt17)タンパク質(これは類基底細胞の腫瘍で誘導され、in vivoにおいてKrt5と共重合する)の遺伝的除去によって、basaloid follicular hamartomaの腫瘍の誘発と成長が遅れることを示す。この遅延現象の前には、炎症反応の低下と、炎症性サイトカインのプロファイルのTh1およびTh17優位からTh2優位へのシフトがみられた。また、Krt17欠損マウスでは、急性皮膚炎モデルにおける過形成や炎症も減弱する。Gli2tg;Krt17−/−マウス由来のケラチノサイトにおいてKrt17を再発現させると、BCCにおける役割がすでに確立されている特定のTh1ケモカインが誘導される。我々の知見は、Hh誘発性の類基底細胞の腫瘍、乾癬および創傷修復におけるKrt17の免疫調節性の役割を確立するものであり、この役割は他の腫瘍にも影響を与えうるものである。

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