Letter 肺がん:TP63の一塩基多型は日本人、韓国人集団の肺腺がん感発症と関連する 2010年10月16日 Nature Genetics 42, 10 doi: 10.1038/ng.667 肺がんは世界的に、がんの死亡の原因として最も頻度が高く、その発生率は東アジアおよび欧米諸国で増加している。肺腺がんのリスクとなる遺伝的要因を検出するために、日本人コホートのゲノムワイド関連研究を行い、ついで2つの独立した日本人および韓国人集団のサンプルを用いて追試試験を行った。総数2,098人の患者症例と11,048人の対照群にを用いた解析により、肺腺がんの発症に関わる2つの遺伝子座位としてTERT(rs2736100、統合P=2.91× 10−11、オッズ比(OR) =1.27)、およびTP63(rs10937405、 統合P=7.26× 10−12、オッズ比(OR)=1.31)を発見した。TP63を含む染色体領域の詳細なマッピングにより、TP63のイントロン1内のSNP(rs4488809)が最も有意な関連を示すことがわかった。この研究成果はTP63の遺伝子多型が東アジア人集団の肺腺がんの発症に関与することを示唆している。 Full text PDF 目次へ戻る