Letter 小頭症:中心体関連タンパク質をコードするWDR62の変異は単純化脳回と大脳皮質構造異常のみられる小頭症を引き起こす 2010年11月16日 Nature Genetics 42, 11 doi: 10.1038/ng.683 小さな脳を特徴とする疾患である、ヒトの小頭症に関連する遺伝子には、増殖、細胞運命決定およびDNA修復の重要な調節因子が含まれている。我々は、ある先天性小頭症の症候群とそこでみられる大脳皮質構造のさまざまな異常について説明する。2家系におけるゲノムワイド連鎖解析によって、染色体19q13.12の7.5Mbの遺伝子座(148個の遺伝子を含む)を同定した。各家系において、連鎖のみられた遺伝子を標的とした大量塩基配列解析によって、>4,000のDNA変化を解析し、有害な変化の可能性がある単一の遺伝子WDR62を得た。 我々は次に、他の4家系において、さらにWDR62の変異を同定した。磁気共鳴画像法と死後脳の解析から、神経前駆細胞の増殖と移動にWDR62が重要な役割を担っていることが裏付けられた。WDR62は、神経前駆細胞、発生中の脳の有糸分裂後ニューロンに発現するWD40リピート含有タンパク質で、分裂細胞の紡錘体極に局在している。WDR62の変異によって、さまざまな表現型がみられることから、WDR62が大脳皮質発生の多くの面で中心となる役割を担っていることが示唆される。 Full text PDF 目次へ戻る