Letter 白血病:T細胞性急性リンパ芽球性白血病におけるタンパク質チロシンホスファターゼ遺伝子PTPN2の欠失 2010年6月1日 Nature Genetics 42, 6 doi: 10.1038/ng.587 PTPN2(protein tyrosine phosphatase non-receptor type 2、別名TC-PTP)は、細胞質型チロシンホスファターゼで、さまざまなチロシンキナーゼおよびその他のシグナル伝達タンパク質の負の調節因子として機能している。PTPN2は、その免疫系の調節における役割と一致して、自己免疫疾患の感受性遺伝子座として同定された。本論文では、ヒトT細胞性急性リンパ芽球性白血病(T-ALL)において、PTPN2に限局された欠失がみられることを報告する。PTPN2の欠失は、がん遺伝子産物であるTLX1転写因子の異常な発現がみられるT-ALL(NUP214-ABL1チロシンキナーゼも発現する4症例を含む)に特異的にみられた。PTPN2のノックダウンによって、T-ALL細胞の増殖やサイトカイン感受性が増加した。さらに、PTPN2は、NUP214-ABL1キナーゼ活性の負の調節因子であることが明らかになった。我々の研究から、PTPN2が腫瘍抑制因子としての役割をもつ遺伝的および機能的な証拠が示され、また、PTPN2の発現が治療への反応を調節するかもしれないことが示唆される。 Full text PDF 目次へ戻る