Letter 転位因子と幹細胞:ヒト胚性幹細胞の主たる調節ネットワークは転位因子によって再構築される 2010年7月1日 Nature Genetics 42, 7 doi: 10.1038/ng.600 新たなゲノムの制御因子の発見は、転写調節ネットワークを全体として理解するために重要である。ここでは、3つの鍵となる調節タンパク質(OCT4としても知られているPOU5F1、NANOG、CTCF)をコードする遺伝子の結合部位を、ヒトとマウスの胚性幹細胞でゲノム全域にわたり調べた。CTCFに比べるとOCT4とNANOGの結合のプロファイルは著しく異なっており、ゲノム間で相同性を占める領域のおよそ5%にすぎなかった。転位因子はヒトとマウスの結合部位の25%までかかわっており、胚性幹細胞での主たる調節ネットワークに新しい遺伝子を接続していることが示された。これらのデータから、種特異的な転位因子が多能性幹細胞の転写回路にかなりの変更を加えていることが示唆された。 Full text PDF 目次へ戻る