Letter 骨異形成症:酒石酸耐性酸性ホスファターゼ欠損によって自己免疫とI型インターフェロンの発現シグネチャーを伴う骨異形成症が 引き起こされる 2011年2月1日 Nature Genetics 43, 2 doi: 10.1038/ng.748 免疫不全性骨異形成症の脊椎・内軟骨異形成症に一致する特徴を示す8家系の10人について検討した。この10人(症例)には、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、溶血性貧血、血小板減少症、甲状腺機能低下症、炎症性筋炎、レイノー病および尋常性白斑を含むさまざまな自己免疫表現型が観察されたことに特に注目すべきである。ハプロタイプデータから、疾患遺伝子が染色体19p13に存在することが示され、また、連鎖解析から統合多点対数オッズ(LOD)値に3.6が得られた。検討した各症例において、酒石酸耐性酸性ホスファターゼをコードするACP5の配列決定を行うと、両対立遺伝子の変異が同定され、また、in vivoでの検討によって、このタンパク質の発現がほとんどみられないことが確認された。検討した8症例すべてにおいて、血清インターフェロン・アルファ活性の上昇が示され、また、全血での遺伝子発現プロファイリングから、I型インターフェロンのシグネチャーが明らかになった。本研究の知見から、酒石酸耐性酸性ホスファターゼ活性とインターフェロン代謝との間にこれまでにはわかっていなかった関連があることが明らかになり、また、自己免疫の発生におけるI型インターフェロンの重要性が浮き彫りになる。 Full text PDF 目次へ戻る