Letter 白血病:急性リンパ芽球性白血病の再発についての祖先系統とファーマコゲノミクス 2011年3月1日 Nature Genetics 43, 3 doi: 10.1038/ng.763 現在、急性リンパ芽球性白血病(ALL)の小児の5年生存率は、ほとんどの先進国では80%以上であるが、すべての小児がこの進歩から等しく恩恵を受けているわけではない。多くの臨床研究から、小児ALL後の生存率に民族差がみられることが報告されている。つまり、ヨーロッパ系米国人やアジア人の小児と比較した場合に、アフリカ系米国人やヒスパニック系の小児の生存率が低いことがわかっている。遺伝要因と非遺伝要因の両方が重要である可能性があるが、この民族差の原因は明らかになっていない。任意に抽出したALL小児の大規模コホートにおいて、ゲノムワイドに生殖細胞系列のSNP遺伝子型を決定すると、米国先住民系と共分離するゲノム多様化の構成要素が、再発のリスクに関連することがわかった(P=0.0029)。この関連は、既知の予後因子で補正後でさえもみられた(P=0.017)。祖先系統に関連する再発リスクの差は、化学療法を1クール多く追加することでなくなったことから、治療法の変更によって祖先系統に関連する再発リスクを軽減できることが示される。 Full text PDF 目次へ戻る