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DNA複製:複製起点認識複合体の最大のサブユニットをコードするORC1における変異によってマイヤー・ゴーリン症候群に類似した小頭型原発性小人症が引き起こされる

Nature Genetics 43, 4 doi: 10.1038/ng.776

極度の成長障害(例えば、ゼッケル症候群やマジュースキー骨異形成性原発性小人症II型)についての研究から、ヒトの成長の調節にはDNA損傷応答シグナル伝達や中心体機能の基本的な細胞過程が関与することがわかっている。本論文では、複製起点認識複合体のサブユニットをコードするORC1における変異によって、マイヤー・ゴーリン症候群に類似した小頭型原発性小人症が引き起こされることを報告する。我々は、これらの変異が、複製前複合体の形成や複製起点の活性化をはじめとする既知のORC1機能を障害することを実証した。ORC1欠損によって、S期への移行とS期の進行が障害される。さらに、ゼブラフィッシュの急速な胚成長過程において、Orc1の除去のみで、体の大きさが明らかに減少することを示す。我々のデータから、ORC1の変異によって、複製のライセンシングに異常が生じ、細胞周期の進行遅延、およびその結果として発生過程(特に急速な増殖時)における成長遅延が引き起こされるというモデルが示唆される。これらの知見から、小頭型小人症の発症機序についての新しい機構が確立され、また、複製起点のライセンシング異常が発生に与える意外であるが重要な影響が示される。

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